こんにちは、マスサダ(@massadkosetsu)です
機械を設置するには必ずやらなければいけない『レベル出し』
しかしなんかうまくいかない、どうやったらうまくできるのかわからない
レベル出しに使う道具ややり方について解説します
レベル出しとは?
機械に限らず、構造物は設置するにあたり地面に対し水平に設置しなければなりません
この水平に設置することを「レベル出し」といいます
これを行わないと最悪の場合、構造物であれば崩れてきてしまったりします
機械の場合はレベル出しを怠ると製品に不良が出来たり、機械そのものが破損してしまうことがあります
床面はいくらきれいに仕上げてあってもミリ単位の凸凹があり、機械をそこに設置して精度を出した品物のを作る為には機械は地面に対して必ず水平に設置されなければなりません
精密機械であれば水平に設置する為にベッド部分にアジャストボルトがあり、それを使って水平を出します
ゴムを使用したマウントも使用することがあります(防振ゴムとも言ったりします)
機械のレベル出し
レベル出しとはまとめて水平を出すことですが精密機械のレベルと一般的な建設業界でのレベル出しでは精度が異なります
精密機械を扱う私たちは下記の水準器を使ったレベル出しを行います
水準器の種類
機械によって使用する精度は変わりますがマスサダは100分の2や100分の5の水平器を使います
この精度は、チリひとつ水準器の下にあっても変わるという精密さです
どれくらいの精度かを詳しく説明すると
感度0.02mm/mの水準器は、1000mm(1m)に対し0.02mmの高さの変位を測定できます。
製品には1DIV=0.02mm/Mなどと表記され、1DIVは1目盛あたりの感度を表します。
これは、1目盛気泡が移動すると、0.02mm/mの高さの変位が分かるということです
どうやってレベルを出す?
重量物でなければ低いアジャストを上げていけば簡単にでてしまいます
しかし重量物ではそう簡単にはいかずアジャストを上げるためにもジャッキを利用しなければならない大変な作業になるため、以下のやりかたでやるとスムーズにレベル出しができます
レベル出しは水平を出すだけなのですがこれがなかなか機械によって難しさが異なります
ではどのような順序でレベルを出せばいいのか?
基本的な考え方とやりかたについて解説します
レベルを出すための準備と考え方
まず機械を設置しアジャストまたはマウントをどの高さで設定するのか?
高さの指定がない限りマウントはなるべく低い状態でセットします
もう一つ重要なのは、レベルは上げ方向で調節していくということです
これを基本的な考え方として覚えておいてください
マウントを出した状態で設置したり、下げ方向でもいいでしょって思っていると機械が大きくなってくるとあとあと大変めんどくさいことになります
水準器の置き方
置く場所の指示がない場合はなるべくきれいな磨き面に縦横見れるように(x軸とy軸)Tの字に2個水準器を置きます
サビなどがある場合は砥石で磨き、パーツクリーナーで汚れを拭き取っておきます
ゴミがある場所に水準器を置いてしまうだけで正確なレベルがでませんのでここは特に注意を払ってキレイにします
一番高いところを見つけろ
基本的な考え方は一番高いところをみつけてそれにほかのアジャスト(脚)をあげて一番高いところにあわせていきます
この一番高いところが基準となるためここはアジャストが効いて上がるか上がらないかのところでとめておきます
ここを上げてしまうと、どんどん機械の高さが不必要に上がっていってしまいます
基準となるすでに高いポイントはほとんど触らないことが重要です
3点にきかせてレベルをだす
重量物には複数のアジャストボルトがありますが、これはレベルを出すときにはすこし弊害になったりします
レベルを出すときにはこれを3点(3箇所)になるようにジャッキを使います
なぜ3点なのかというと3点は重量が一番均等にかかるからです
ジャッキで低いとこから上げる
一番高いところを見つけたらそのアジャストとは反対側にジャッキをセットします
それによって強制的に地面に接しているアジャストを3箇所にします
どれくらいあげるかはジャッキを上げている前後方向の泡が離れるまで上げましょう
ゴムのマウントであればジャッキを上げたら一番高かったところをボルトを上げ効く寸前(固くなる手前)までボルトを締めます
一番高かったところの反対側を上げる
ジャッキで水準器の前後の泡が離れるまで上げたあとは左右方向をアジャストで合わせましょう
一番高かったところの反対側を上げ、左右方向のレベルが合うまで上げます
上げていくと次第に前後方向も低くなる為、ジャッキで調整します
この時点でほぼレベルが出ているはずです
ジャッキで上がって効いていないアジャストを上げジャッキを下ろす
ジャッキが上がっている状態でジャッキの方のアジャストを効かせます
ゴムのマウントの場合は若干多めに効かせます
そのあとジャッキを下ろします
ジャッキを下ろしたらあとは微調整をして終了です
このやり方の注意点
このやり方は機械のベッドがある程度の強度がある場合にのみ使えます
強度がない機械だとベッド自体がしなってしまいレベルを出すことができません
ジャッキを上げたときに3点に効かない機械もこのやり方は向いてないです
しかし考え方は応用できるので参考になれば幸いです
水平器が狂ったときの対処法
水準器をひっくり返したときに泡が違う位置に来る場合、調整によって直すことができます
メーカーによってやりかたは異なりますが精密水準器は調整用のネジがついています
出来る限り水平の場所で行うことが望ましいです
現状の泡の位置を覚え、その場で180度回転させる
六角レンチでアジャストを調整し、回転させても同じ位置に来る様に調節します
かなりシビアなのでアジャストは慎重に調整してください
機械に接する面が欠けたり膨らんだ場合は専門の業者に修理を依頼したほうが良いです
おわりに
レベル出しはいろいろなやり方がありますが基本的な考え方はこの考え方ベースにあると思います
すべてのアジャストに荷がかかるように(均等ではなくていいです)レベルを出すように心がけてください
レベルを出しは危険な作業ではありませんが正確さが求められる作業です
精密さを要求される機械はプロに任せることをオススメします
質問等があればお問い合わせにてお答え致します
最後まで読んで頂きありがとうございました
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