重量物はただすくって運ぶだけでは思わぬ事故を起こしてしまうリスクがあります
パレットのような運搬に適した形ではない時がほとんどです
どういった重機を使用するか、注意する点についていくつか解説します
すくうとは?
フォークリフトやハンドリフトなどの爪(フォーク)がついた重機で重量物を下から持ち上げることを言います
文章にすると簡単に感じますがこれにはいろいろなノウハウがあります
順番に解説していきます
どんなものを「すくう」のか?まずは見極める
重心を探す
いろいろな品物にはそれぞれの重心というものが存在します
瞬時に重心を見極めるには熟練の技術が必要になります
重量物をすくって運ぶ際の重心に関する注意点は一つ
『重心が高いか高くないか』
この点が重要になります
重心が高いものは倒れやすく細心の注意が必要です
すくうモノの下の形状をチェック
重心を確認したら次にすることは
『品物の下を覗き、形状を確認』
フォークリフトなどの爪がどこに入ればいいのか確認します
フラットであれば問題はないですが品物によってはボルトが出ていたり、段差があったりということがあります
そういった場合は板木などを使い、段差をなくします
いくつもボルトが出ていたり、板木をいくつも用意しないといけない場合はすくって運ぶという選択を変えたほうがいいかもしれません
すくう重機や道具
すくって運ぶといえばフォークリフト
フォークリフトはフォークと呼ばれる爪がついた荷役に使われる重機
エンジン式のものと電動のものがある(ガスを燃料にしたものもあります)
使用には資格が必要
フォークリフトは簡単にレンタルでき料金も安いのですが、回送料金が多めに掛かる場合がある
手軽で使いやすいハンドリフト
手動で油圧ポンプをくみ、人のチカラで品物を移動させます
扱いやすくどこの工場でも見かけることができます
タイヤであるウレタンローラーが3点であるため偏荷重の品物を運ぶのには注意が必要です
また、ハンドリフト自体に重量が無いため不安定なものを固定して運ぶのには適してないです
高いところに上げるハンドフォークもありますが数100kg程度の使用範囲なら大丈夫です
導入する企業が多くなったローリフト
爪の上昇や走行を電動で行う電動のハンドリフトをローリフトと言います
これは近年、バッテリーの容量が向上した為、電動の重機も多くなってきているからです
下降は単動式で荷物の重量を利用して降ろします
ローリフト自体が重量があるので持ち運びには重機が必要
フォークリフトと違い高く持ち上げることはできない
トラックなど荷台の高いところに持ち上げることはできません
使用する際には資格は必要ありません(2021年6月現在)
どのように注意して運ぶか?
安定した品物やパレットなどをすくうのとは違い、重量物をすくう際に特に注意する点を4つ解説します
想定される重量よりも大きめの重機を使用する
フォークリフトの場合、荷重中心での最大荷重が決められています
例えば5トンリフトの荷重中心値は約500mmで、爪の根元から500mm
の所までしか5トンの品物をすくえません
荷重中心とは重心のことであり、重心が爪の根元から遠くなればなるほど軽いものしかすくえなくなります
そのためおおよその重量を計算したあとは想定される重量よりも大きめ、1.5倍程度の余裕を持った重機選びが重要です
最大荷重ギリギリのものをすくってしまうとフォークリフトの後部が浮いてしまい転倒してしまいます
重量屋であるマスサダはカウンターウエイトを使ったり裏技を使いますがこれには専門知識が必要になります
合図者とオペレーターを分け、複数人で合図をしながらすくう
パレットをすくう時と違い、一人で作業するのはやめましょう
下部の確認をしながら爪を入れていくことが重要です
そのため、合図者の指示に従いオペレーターはゆっくり重機を操作します
これを行わないと下部に飛び出している部分に爪を当ててしまい、品物を破損させてしまう場合があります
すくえたら品物をすこし揺らしてみる
すくって移動する距離が遠くなるほどすくった品物は路面の影響を受けます
運んでいる最中に倒れてしまってはいけません
ある程度路面が不安定なのを想定して軽く揺らしてみましょう
そこで爪から浮き上がったり倒れそうになる場合は下記の対策をしなければいけません
それでも不安定なら爪に固定
どうしても不安定ならレバーブロックを使って重量物と爪を固定して運びましょう
重量物の丈夫な箇所(カバーなどチカラを掛けても変形しない所)にレバーブロックやワイヤーを掛けがっちり固定します
レバーブロックをかけたら再度荷物を揺らして爪と品物が離れないか確認します
レバーブロックの使い方はこちらの記事を参考にしてください↓
最後に
すくって運搬する際の注意点を解説しましたがやはり重量物の取り扱いには危険が伴います
充分安全に注意し、すくえないものは他の運搬方法を考えるかプロに任せましょう
私達、重量屋は最低限の道具を工夫して使い安全に運ぶことができます
宣伝になったしまいましたが最後まで読んで頂きありがとうございました
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