こんにちは、マスサダ(@massadkosetsu)です
重量物を動かすことに特化した重量屋という職業をしている「マスサダ」です
1トンもの重量があるものはフォークリフトなどの重機を使ってじゃないと動かすことはできないと思っている人もいるかもしれません
しかし「スライディングペーパー」を使えば簡単に重量物を人の手で動かすことができます
スライディングペーパーとは?
その名のとおりスライディングペーパーは「滑らせる紙」、重たいものを滑らせて動かす紙です
シールの裏紙のようなツルツルした面とザラザラした面がある普通の紙です
紙がなぜ重たいものを動かすのに役に立つのか
それは重さによる地面との抵抗を極端に小さくすることで動かします
抵抗とは転がり抵抗のことで、wikipediaによると
鉄球を鉄板の上で転がす場合と木板の上で転がす場合、転がり抵抗は木板の方が鉄板より大きくなる。
wikipedia
要するに地面に接している部分をツルツルにしてしまえばけっこう重たいものでも動かせるよってことです
別の例として、台車の上に異なる重さのおもりをそれぞれ載せて転がり抵抗を比較する場合、転がり抵抗が大きいのは台車の車輪の変形が大きくなる重いおもりのほうである。
wikipedia
台車の車輪の変形を抑える強度のあるもの(鉄やアルミなどの硬いもの)に変えれば重さの違いの差を埋めることができます
スライディングペーパーの使い方
スライディングペーパーを使用する手順は
- 動かしたい品物をジャッキアップをします
- 重量物の脚の下(移動したい範囲)の床のゴミを掃除します
- 動かしたい品物をジャッキアップをします
- 床がきれいになったらすべての脚にペーパーを入れます
- ペーパーには入れ方があり、ツルツルの面とツルツルの面を重ねて1箇所につき2枚入れます
これで1トン程度の軽いもの(地面の状況や脚の形状にもよります)であれば人力で動かせます
どんな時に使用すると便利か?
あと少し重量物を動かしたいときに便利です
数ミリから数センチを動かしたいぶ微調整に最適な道具です
専用機など細かい位置の調整が必要な時に非常に便利です
使用する際の注意点
注意する点は2つあります
傾斜地での使用はやめよう
スライディングペーパーは非常に滑る為傾斜の大きいところで使用するとペーパーにジャッキダウンした瞬間に坂の下の方に勝手に動いてしまいます
設備との間に身体が挟まってしまう等の危険がありますので使用する場所の確認をしましょう
地面が凸凹な場所は養生をしてから使用する
スライディングペーパーは紙であるため、地面が凸凹していると破れてしまいます
ペーパーが破れてしまう本来のペーパーの性能を発揮できません
そういったでこぼこした地面で使用する場合は薄い鉄板をペーパーの下に敷くなどし、ペーパーを設置します
同様に小さなゴミが噛んでしまってもペーパーが破れる原因になるので地面をある程度きれいにしてからペーパーを敷きましょう
ペーパーを抜くときの注意点
重量物が動いたらペーパーを抜かないといつでも重量物が動く状態になってしまいます
目的の位置まで動いたらペーパーを抜かなくてはいけません
そこですこし注意点があります
それは「1箇所ずつペーパーを抜く」です
こうしないとジャッキアップをしたり、バールで上げただけで重量物が動いてしまうからです
ペーパーを抜くのに必要以上に重量物を上げないことも大切です
スライディングペーパーの種類
- 片面のみツルツルしている
- 両面ツルツルしている
この2種類に分類されます
片面ツルツル
これは片面のみツルツルした面を持つものです
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このタイプは破れやすいのく、破れたときに紙のゴミが出やすいです
スライディングペーパーを長い状態で持ち運ぶにはペーパーを巻いて保管や持ち運ぶのですが、その際にできた巻き癖ができやすいのも難点です
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こちらは黄色のタイプよりも巻き癖が多少つきにくいです
マスサダは使用するであろう大きさに切っておいて巻かずに保管しています
この商品はある程度の大きさに切ってあるので巻き癖は気にしなくていいかもしれません
両面ツルツル
PTFEシートと呼ばれる両面がツルツルした紙ではないスライディングペーパーです
こちらは機械工具屋さんから購入したものです
転がり抵抗が非常に低いです
数枚重ねるとさらに効果がでます
滑りすぎてしまうほどです
しかしその反面持ち運びや保管のために多くの量を巻いて保存するとたけのこみたいになってしまいます
これもある程度の大きさに切って保管するのがいいかと思います
どれだけのものを動かせるのか
マスサダは80tの重量物にスライディングペーパーを敷き、1.5tのレバーブロックを使い一人で引っ張った実績があります(ちょっと重たかったけど動きます)
メーカー推奨の使い方ではないですが使い方に工夫をすれば重たいものでも動かすことができます
これも転がり抵抗を低くしただけです
おわりに
スライディングペーパーはローラーや重機を使用しなくても重量物が動かせる為、今や現場ではなくてはならないものになっています
1トンくらいのものであればバールでペーパーを敷き簡単に重量物を動かせます
とはいえ重量物の移動には危険が伴います
重量屋へ依頼し移動することをオススメします
疑問や相談はコメントやお問い合わせいただければお答えします
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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